住宅のリフォームを扱うTV番組で、住む人を笑顔にする力が建築にあることを感じ、この業界に興味を持ちました。大学で専門的に建築を学ぶ中で、住宅以外の建築物にもそれぞれに異なる魅力があることを知り、就職活動では大手から中堅のゼネコンまで様々な会社のインターンシップに参加しました。その中でも一番印象に残っていたのが横河システム建築だったんです。2週間かけてあらゆる部署と現場を実際に体験し、会社が大切にしている考え方も感じられ、この人となら一緒に働きたいと思える人にも出会えました。
入社後は、茂原工場の生産管理として配属されました。工場は総勢300名近くのメンバーが所属する大きな組織です。私たち横河システム建築の社員だけでなく、協力会社のメンバーも多く、協働してモノづくりに取り組んでいます。自社工場は、横河システム建築の価値を生み出している大切な場所。そこを担う責任を感じながら、日々この仕事に向き合っています。
工場内での私の役目は、データとして送られてくる図面などの情報をもとに、実際に手で触れられる形に作り上げていく工程の管理です。工程の組み方一つで、品質も、製作期間も、メンバーの作業効率も大きく変わってきます。そのため、工場全体の動きを頭に入れながら、一人ひとりの職人の動きを先んじて予測し、先回りした工程を組み上げ、指示を出していくことが大切なんです。大きな流れをとらえる視点と並行して、一つのミスも見落とさない繊細さも求められます。それでも想定外のミスが起きるときはあります。以前トラブルがあった時には、責任もって北海道まで日帰りで対応に行ったこともあります。それでも、自分が思い描いたとおりに工程が流れたときにはこれ以上ないやりがいを感じられます。職人それぞれのこだわりを受け止めつつ、納品の責任を持つ立場として譲れない部分は伝え、現実的な工程を描いていく。手間もかかるし工夫もいりますが、多くのメンバーと共にモノづくりをしている実感を得られる仕事です。
工場内メンバー同士、お昼休みに一緒にご飯にいくことも頻繁ですし、若手メンバーとは休憩時間にサッカーをして遊ぶこともあります。仕事の話ばかりでなく、新しく買った車の話や通勤途中でイノシシを轢きそうになった話など、いろんな話をしています。工場周辺の地理に詳しくなかった私におススメのお店を教えてくれたりもします。以前、私のミスでメンバーに大きな迷惑をかけてしまったことがありました。そんなときにも「しゃーないっしょ。みんなで対応しようぜ」と、何事もなかったかのように受け入れてくれたのを覚えています。本当に信頼できるメンバーと働けていることを実感し、感謝しました。これからもこのメンバーと一つのものを作り上げていきたい。だからこそ、私は工場の外に出てみたいと考えています。設計など工場製作の前工程も、後工程の組み立て現場も経験し、仕事全体の理解度を高めた上で、この工場によりよい仕事環境を築いていきたいと思うんです。工場は3Kなんて言われることもありますが、その環境自体を改善していくことこそ私の仕事です。そこに責任と誇りを持つために、今以上に成長して戻ってきたいと思っています。