建築を学びその奥深さを知り、高専を経て大学、そして大学院へと進学しました。こうした面白さを仕事でも味わいたいと考え、成長を続けている会社や、新しい仕組みを取り入れる姿勢のある会社を探して就職活動をしていました。横河システム建築のWebサイトを見たときには、一目で「ここだ!」と感じたのを覚えています。もし他の企業からの部分的な下請けでは自由度も裁量権もない仕事となり、全体としての効率化を目指すこともできません。その点、横河システム建築は自社工場を備え、設計から工場での製作までを一貫して請けられる体制があり、だからこそ全体を通じての標準化を実現できている。それがお客様の価値になり、ひいては業界全体を押し上げる事業にもつながる可能性がある。そこに合理的でチャレンジングな姿勢を感じたんです。もちろん社員の働きやすさや福利厚生などにも注力していたため、将来性も高そうだと思いました。「横河システム建築は業界の先をいっている」と確信し、入社しました。
入社してみても、その想いは変わりませんでした。たとえば社内の設計ソフトで図面を描くと、それに連携して他のソフトにも自動的に反映されるんです。設計図から、作業者への指示図面、工場での手順書、お客様に対しての説明資料まで、すべて連携させるという仕組みを作り上げていたんです。一般的にはこうしたシステムは社外の専門業者に開発・管理を委託している会社が多いかと思いますが、横河システム建築では自社で管理し、常に改善を加えています。もしどこかの工程にエラーがあった場合、その原因を突き止めてすぐに改善点をシステムに反映させることで、次回以降確実に効率を上げられます。日々の仕事の中でも、何かトラブルや失敗があればその情報を共有する文化が社内には定着しています。現場での失敗や挑戦がシステムとして会社全体の資産となり、他社に対しての優位性へと変換されていくわけです。人手不足や技術者の育成に課題を抱える建築業界でも有効な考え方ではないでしょうか。今後、業界にもこうした姿勢を広げていけると面白そうに思います。
今の仕事としては、構造設計などの資料をもとに、自社工場内での生産工程に必要な資料をまとめていく生産情報という部署で働いています。設計が方針を定めてくれた内容に沿って、製造現場とやり取りしながらお客様にも説明ができる資料へと仕上げていきます。入社から2年半経ちましたが、本当に様々な案件を経験することができました。シンプルなものはもちろん、二階建ての物件、雨を防ぐ機能を備えた物件、地震対策が念入りに取られた物件…。同じものを作ることはほとんどなかったように思います。毎回何かしらのアレンジを加えて、新しい仕組みを生み出していくのは手ごたえを感じられる仕事でした。他にはできない難易度の高い仕事を任されると、自分の、そして自分たちの技術が認められている感じがして嬉しいものです。また、難しい仕事を通して得られた学びを積み重ねていく感覚もこの仕事の醍醐味の一つです。私自身も少なからず様々な経験をしてきました。そこから得た学びもノウハウもあります。こうした属人的な知恵を言語化して残し、社内に、また新しく入社してくる後輩たちに伝えていきたいと思っています。